現代のビジネスは、グローバル化とテクノロジーが前進する中で、ますます国境を越えて競争しています。特にエンジニアリングの分野では、国籍を超えた優秀なエンジニアを採用することが一層重要になっています。この記事では、その採用マーケットを考察します。
外国人エンジニア採用の利点とリスク
外国人エンジニアの採用は、ダイバーシティとイノベーションの観点から多くの利点があります。ダイバーシティの高い企業は、イノベーションに対する収益の割合が高いと報告されています。しかし、一方で、外国人エンジニアの採用は、ビザ取得の困難さやコミュニケーションの課題など、リスクも伴います。実際に、企業の多くが外国人労働者の採用に関連する規制に直面していると答えています。外国人エンジニア採用による費用対効果や実施した企業の事例をまとめた記事を本サイトに掲載しているので、ぜひご参照ください。
マーケット理解
全世界のエンジニア人口と主要なエンジニア人口の地域
経済産業省が公開している情報によると、IT 人材の需要と供給の差(需給ギャップ)2は、需要が供給を上回り、2030年には、日本国内最大で約 79 万人に拡大する可能性があると試算されています。その背景として労働人口の減少もありますが、ITトレンドが目まぐるしく変わるので、変化に対応できる人材が多くないことも理由に挙げられます。多くの企業がAI、クラウドコンピューティング、データサイエンス、IoT化やDXを行っている中、エンジニア数が足りない現状は解決しなければならない社会課題です。
国内でエンジニア不足の一方で、全世界のエンジニア人口は増加傾向にあり、その中でもアジア(特にインドと中国)と東欧が顕著です。インドでは毎年150万人のエンジニアが大学を卒業するので、多くの企業は優秀な人材を獲得しようと、インドにキャンパスリクルーティング(プレースメント)を行っています。プレースメントの詳しい内容は本サイトの別記事で紹介しているので、ぜひご参照ください。
採用プロセス
外国人エンジニアを効果的に採用するための方法
従来の外国人エンジニア採用選考を現地で行ったり、日本で働けるようなリロケーションする必要がありましたが、リモートワークの普及に伴い、容易になりつつあります。野村総合研究所の調査では、コロナ後でも日本では25%近い従業員がリモートワークを続けています。これにより、企業は幅広いタレントプールから採用でき、地理的な制約を大幅に緩和できます。
https://www.nri.com/jp/knowledge/report/lst/2023/cc/0228_1
言語の壁によるコミュニケーションの齟齬が起きるのではないかと言う懸念もありますが、楽天のように社内公用語を英語にしたり、Slack上でのやり取りは英語にするなど、柔軟な対応で外国人エンジニアを受け入れる環境を作る企業もあります。
一方で、ビザ申請の誤りや準備不足、組織の文化との適合性の不一致などで採用後、人材が定着しない問題も挙げられます。
外国人エンジニアの採用は、組織に新たな視点と能力をもたらし、ダイバーシティとイノベーションを推進します。これは、技術とビジネスがグローバル化する現代社会において、ますます重要な要素となっています。適切な理解と整理、そして効果的な採用プロセスによって、これらの挑戦は克服可能です。成功のためには、マーケットの理解、リスクの評価、そして効果的な採用プロセスが必要不可欠であることを忘れてはなりません。
インド工科大学の学生や外国人エンジニアの採用にご興味がございましたら、詳細情報やお問い合わせはこちらからお願いいたします。
引用
meti.go.jp/policy/it_policy/jinzai/houkokusyo.pdf
https://www.asahi.com/articles/ASQ6B6F0DQ69ULFA02N.html
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