IITから新卒エンジニアを採用する場合、日本の採用方法とは打って変わった方法をしなければなりません。そこで本記事では、企業がどのようにIIT学生を採用するかの手順を紹介します。ただし、具体的なスケジュールは年によって異なる場合がありますので、最新の情報を入手するためには、IITの公式ウェブサイトや採用情報をご参照ください。

プレイスメント

IITの採用では、大学が主催する採用面接イベント「プレイスメント」への参加が求められます。それ以外の時期での採用は基本的にNGとなっており、これは学生が学業に集中できるよう、就職活動の期間や規則を大学が厳格に管理するためのシステムです。プレイスメントは毎年12月1日の深夜0時から始まりますが、企業側は5月頃から準備を進める必要があります。

以下が時期ごとのスケジュールになります。

運用フロー

5月：IIT学校側とプレイスメントの打ち合わせ（Dayの調整など）

6月：人材要件すり合わせ

7月：人材要件確定

8月、9月：PPT(企業説明会)

10月、11月：応募・試験

11月：Dayの交渉

12月：面接

各IIT校にプレイスメントセンターという就職活動専用の組織が設置されています。各校によって組織体制は異なるので、それに合わせた対応をしてくれる人材紹介会社を介すことも一つの手です。

5、6月にプレイスメント側と人材要件のすり合わせ後、企業側はプロモーション準備を始めます。8、9月に学生に企業説明会を実施します。プレイスメントには毎年世界の名だたる企業が参加することから、事前説明会でどれだけ学生に企業の魅力を伝えられるかが大きなポイントとなります。

10月、11月から企業の応募及びエンジニア採用であればコーディング試験などを実施します。スクリーニングがそこで完了した後に、プレイスメント側とDayの交渉、つまり何日目にプレイスメント参加できるかの話し合いが行われます。学生が一度プレイスメントで内定承諾をすると、次の日以降のプレイスメントに参加することが禁止されています。そのため、多くの優秀な学生は早いうちに獲得されるので、Dayの交渉が重要になってきます。

学生が内定承諾をする際に一番大事にしていることが「Cost to Company（CTC）」です。CTCは、企業が学生に提示する給与や待遇がどれだけ良いものかを判断する価値基準で、多くの学生がそれに則っているため、企業がいかに魅力的なオファーを出せるかが肝となっています。

他記事でIIT学生がどのくらいの給与をもらっているかを解説している記事があるので、ぜひご参照ください。

IITムンバイ校のプレイスメント流れ