近年、日本のIT産業は急速に国際化しています。多くの企業が外国人エンジニアを積極的に採用し、その結果、職場でのコミュニケーションは英語だけでなく、日本語も必要となってきています。しかし、外国人エンジニアの日本語力はどの程度重要なのでしょうか?また、その日本語力を向上させるためにはどのような方法があるのでしょうか?
日本語能力試験(JLPT)は、非日本語ネイティブスピーカー向けの世界最大規模の日本語テストです。この評価ツールは、多くの企業や大学が求職者や奨学金申請者の日本語スキルを評価するために使用されています。企業や大学が期待する最低基準はJLPT N3レベルです。
JLPTはN1からN5までの5つのレベルがあり、N1が最も高度な日本語能力を示し、N5が最も基本的なレベルです。具体的には:
N1: 高度な日本語能力。専門的な話題についての複雑な議論を理解し、表現することができます。取得に必要な時間として約900-1000時間と言われています。
N2: 中上級の日本語能力。日常生活や一般的なビジネス状況での具体的な表現を理解し、使用することができます。取得に必要な時間として約600-800時間と言われています。
N3: 中級の日本語能力。日常生活での具体的な表現を理解し、使用することができます。
取得に必要な時間として約450-600時間と言われています。
N4: 基本的な日本語能力。基本的な日常会話を理解し、使用することができます。
取得に必要な時間として約300-400時間と言われています。
N5: 初級の日本語能力。簡単な日常会話を理解し、使用することができます。
取得に必要な時間として約150-200時間と言われています。
一般的に企業で業務をスムーズに遂行するために必要なのはN1〜N2レベルが必要と言われています。ただし、外国人エンジニアに高い日本語力を求めるより、多くの企業がN3レベルから採用を検討することで、高い技術力を有している外国人を幅広く採用しようとしています。
https://www.jlpt.jp/about/levelsummary.html
日本語力を向上させる方法
N3で日常生活での具体的な表現を理解できますが、前述で言ったように、ビジネス状況で齟齬が合わない可能性が十分にあります。
入社前や入社後に外国人エンジニアが日本語力を向上させる方法としていくつか挙げられます
日本語学習のためのリソースを活用する:
オンライン日本語学習プラットフォーム: Duolingo、Rosetta Stone、日本語のオンラインコースなどを利用し、基本的な文法や語彙を学ぶ方法があります。
Duolingoは、無料で利用できる言語学習アプリです。35以上の言語を学ぶことが可能で、日本語、英語、スペイン語、フランス語などメジャーな言語だけでなく、マイナーなエスペラント、ハイチクレオール、スコットランド・ゲール語などもあります。
学習方法は、ゲーム要素が強く、学習者のモチベーションを高めるように設計されています。例えば、正解を重ねると点が獲得でき、一定の経験点を得るとレベルアップします。また、日々の学習目標を達成すると連続学習日数が増え、これにより報酬を得ることができます。
学習内容は、単語の意味、文法、会話練習、聴解、発音練習など、多岐にわたり、ユーザーは独自の進行ペースを設定し、一日にどれくらいの時間を学習に費やすかを選ぶことができます。
基本的に無料で利用できますが、広告を除去したり、オフラインでの学習を可能にするなどの追加機能を利用するためには、有料のプレミアムプラン(Duolingo Plus)に加入する必要があります。
duoligo for businessという企業や組織向けに提供されるサービスがあり、管理者が従業員の進捗を管理、プログラム調整が可能で、従業員の語学料向上を支援することができます。
https://ja.duolingo.com/business
Rosetta Stoneは、1992年に設立されたオンライン言語学習プラットフォームで、30以上の言語を学ぶプログラムを提供しています。世界で500万人の利用者がいて、自然な環境で言語を学ぶ経験を模倣しようとする”ダイナミックイマージョン”方法を用いています。”ダイナミックイマージョン”方法とは母国語を一切使わない勉強法で、ユーザーが自然に新しい言語を写真、発音、文字で、外国語を外国語のまま、直接理解することを徹底的に繰り返します。
特に、Rosetta Stoneは発音の修正に特化しています。「TruAccent™ スピーチ認識テクノロジー」という特許取得済みの音声認識エンジンを用いて、学習者の発音をネイティブスピーカーと比較し、必要に応じて修正を促します。
サービスは主に有料利用となり、PC、スマートフォン、タブレットで利用できます。オフラインで学習したい場合には、レッスンをダウンロードすることも可能です。
また、個人学習者だけでなく、企業や教育機関向けのプログラムも提供しており、ネイティブとのオンラインレッスン、学習者をモニタリングできる管理者ツールを搭載、導入~学習支援サービスサポートなどがあります。
日本語教材: 教科書や文法参考書、ビジネス日本語の教材などを使用して学習を進めます。
企業のサポートを受ける
企業主導の日本語教育プログラム: 多くの企業は外国人エンジニアの日本語学習を支援しています。社内での日本語教育プログラムや研修を活用しましょう。
専門の日本語教師の指導: 企業が専門の日本語教師を雇い、定期的な日本語レッスンを提供する場合もあります。質の高い指導を受けながら、日本語のスキルを向上させます。
まとめ
外国人エンジニアの日本語力は、日本のIT産業で成功するために重要な要素です。日本語力を向上させるためのリソースやサポートが豊富にあるため、積極的に学習を進めていきましょう。
インド工科大学の学生や外国人エンジニアの採用にご興味がございましたら、詳細情報やお問い合わせはこちらからお願いいたします。
Leave a Comment